第6話 スキル物語 「SSOTから探して」と言ったら過去の失敗を掘り返してきた話
いつ困る?
半年前、一年前に解決したはずの問題が、ふとした拍子に形を変えて戻ってくることがあります。
「これ、前にも調べた気がするんだけど、どこに書いてあったっけ?」「あのとき採用をやめた方法を、また試そうとしていないか?」——記録は山ほどあるのに、必要な瞬間に引き出せなければ、記録していないのと同じです。最悪なのは、同じ轍を二度踏むこと。一度やめたはずの方法を、誰も過去の経緯を覚えていなくて再採用してしまう。
こう言うと起こること
そんなとき「SSOTから探して」「過去の決定を探して」と言います。
するとAIは、記録庫(SSOT)を横断して、キーワードに関係する記録を探し出します。コツは探し方で、技術名ではなく「解決したい課題の名前」で探すのが鉄則です。たとえば「Amazonの在庫監視を作りたい」とき、技術名で検索しても過去の記録にヒットしません。「スクレイピング」「bot対策」「HTTP取得」といった課題の言葉で探して初めて、3ヶ月前に別の道具で同じ問題を解決した記録が見つかる。
見つかった記録は「決定の経緯・なぜそうしたか・失敗の条件」まで含めて提示されるので、過去の自分の判断を引き継いだ上で、新しく考えるべき部分だけに集中できます。
何が変わるか
「記録はしてあるけど探せない」が「話しかければ出てくる」に変わりました。
効果は地味ですが大きい。同じ調査を二度しない。やめたはずの方法を再試行しない。実際、ある外部サービスの有料プランが必須だと思い込んでいた件が、調べたら自宅の別プロジェクトで3ヶ月前に無料で解決済みだった——という発見も、この探し方の改善から生まれています。
なお、記録を探すのではなく「SSOTと現実がズレてないかの点検」をしたいときは、別の道具(整合性チェッカー)の担当。「SSOT確認して」は探す・「SSOT点検して」は検査する——似た言葉ですが、役割分担ははっきり分かれています。
<details><summary>▶ 技術的にどうなってるか</summary>
- スキル: ssot-search(obsidian-ssot横断検索・v1=字句検索/v2=意味検索の2方式)
- v2の実力: 意味検索(RAG)で Recall@5=0.744・v1(ripgrep+rerank)は0.026——「言葉が違う記録」を拾うには意味検索が必須という実測がある(v1を「実測した」と誤報告した事故が教訓)
- 検索のコツ: 技術名ではなく課題の抽象キーワード(3語以上・同義語・上位概念を含む)で探す運用ルール。curl_cffi事案(既存実装を見落とし有料前提で設計しかけた)が発火のきっかけ
- 連携: 技術タスク着手時の必須検索ルール・brainstorming Phase 0 で自動発火
- 所在: SSOT の検索ガイド(ssot-search v2章・Recall実測値つき)
</details>