10 知識の保存先の使い分け(SSOT層) — 判断の経緯と生きタスクの置き場所
SSOT運用で「この知識、どこに保存すればいいのか?」問題が起きるのは、Claude Code環境だけではない。Vault内部にも複数の保存先があり、使い分けを誤ると知識が埋もれるか、真実のソースが増殖する。本章ではVault内部の代表的な2層と、Claude Code機能側との境界を整理する。
memory・rules・hooks(Claude Code機能ベースの3層)の使い分けは claude-code-guide「知識の保存先の使い分け」 を参照。
Vault内部の2層
| 層 | 役割 | 向いているもの | 鉄則 |
|---|---|---|---|
| 01_DECISIONS | 技術的決定の経緯(なぜそうしたか・複数案比較・根本原因) | 設計判断・事故分析・再検討条件 | 「経緯」のみ。成果物の正典は別場所へ |
| バックログ | 生きタスクの唯一の正典 | 未完了タスク([ ])・完了履歴([x]) |
handoff等へ「次のタスク」を転記しない(完了済みが残り続ける事故防止) |
01_DECISIONS — 「なぜそう決めたか」の正典
- 1トピック=1ファイル・frontmatterに根本原因(root_cause)と反証条件(falsification)を書く
- 反証条件は「この判断が誤りだと分かる観測事実」を具体的に(「テストが再び赤くなった時」等・抽象語禁止)
- 判断が覆ったら
outcomeを更新する(記録は死なせない)
バックログ — タスクはここだけを見る
- セッション引き継ぎ(handoff)に「次のタスク」を書かない。正典が2つになると、完了済みタスクが転記コピペで永遠に残る
- 完了したら
[x]化。放置された[ ]は定期的に棚卸しする
判断ゲート照合表(どこに何を書くか)
記録する前に自問する順番:
| 自問 | はいの行き先 |
|---|---|
| 能力・方針・構造の話か? | 00_SYSTEM(システム正典) |
| なぜそう決めたか、理由の経緯があるか? | 01_DECISIONS |
| 個人の失敗の直し方か? | memory(Claude Code側) |
| 生きているタスクか? | バックログ |
| 外部サービスの調査で時系列で陳腐化するか? | 30_RESEARCH(スナップショット扱い) |
判断ゲートの正典は層1ルール(毎セッション読込の共有ルール)。本章は照合表であり、ここが正典ではない。
ありがちな失敗
- 02正典化: 同じ知識をガイドとSSOTの両方に全文書く → 片方だけ更新されて乖離。ガイドは照合表+リンクに留め、全文は正典に置く
- memory万能化: 恒久的な方針をmemoryに逃す → memoryは毎回読まれるが、正典性が弱い。方針はrules/00_SYSTEMへ
- 経緯を成果物に混ぜる: 設計の理由をREADME等の成果物に書く → 成果物が肥大化する。経緯は01_DECISIONSへ分離
💡 一言でいうと: 「なぜ」は01_DECISIONS、「今やること」はバックログ。そして「ガイドは正典の写しを作らない」——リンクで繋ぐだけにするのが、更新漏れを防ぐ一番の防御。