05 スマホからPCへの引き継ぎ — 同じセッションをPCで続きから
外出先のスマホで進めていた作業を、帰宅後にPCの大きな画面でそのまま再開する手順。
なぜ「引き継ぎ」が簡単なのか
Claude Code はPC(WSL2)上の claude という名前の tmux セッションで動いています。
スマホ(Termux)は SSH でそのセッションに「アタッチ(接続して覗く)」しているだけです。
つまり、セッションの実体は常にPC側にあります。 スマホを閉じてもセッションは消えません。 PC側のWSLターミナルから同じセッションにアタッチするだけで、スマホの作業をそのままPCに引き継げます。
💡 tmux の最大の利点: 接続先を変えてもセッション(プロセス)が生き続けること。スマホ⇄PC間の「引き継ぎ」は特別な操作不要で、単にアタッチし直すだけです。
基本手順(スマホ → PC)
Step 1: スマホ側 — セッションを残して抜ける
スマホのTermuxで以下のいずれかを行います。
| 方法 | コマンド | 効果 |
|---|---|---|
| デタッチ(推奨) | Ctrl+B → D |
tmuxから抜けるがセッションは維持 |
| SSH切断だけ | exit |
SSH接続を切る(セッションは維持) |
どちらでも Claude Code のセッションはPC上で動き続けます。
Step 2: PC側 — WSLターミナルを開く
Windows側でWSL2 Ubuntuのターミナルを開きます(Windows Terminal / VS Code 等)。
Step 3: PC側 — 同じセッションにアタッチ
tmux attach -t claude
これで スマホで作業していた画面がそのままPCに表示されます。 入力履歴・スクロールバッファ・実行中のプロセスもすべて引き継がれます。
⚠️ 注意: セッション名 claude は 01章 Step 7 で作成した名前です。別の名前で作った場合は tmux ls で確認してください。
クイック版(コピペ用)
# スマホ側: 抜ける(セッションは残す)
# Ctrl+B を押して離し、D
# PC側: WSLターミナルを開いて
tmux attach -t claude
同じセッションを「同時」に見る(ミラーリング)
tmux は 複数の端末から同時に同じセッションにアタッチ できます。 スマホをデタッチせずにPCからアタッチすると、両方の画面に同じ内容が表示されます。
# スマホはそのまま(デタッチしない)
# PC側で
tmux attach -t claude # ← -t だけ(既存セッションへ参加)
用途: スマホを「モニター」として置きつつ、PCで操作したい時に便利。
💡 完全にPCへ切り替えたい時は Step 1 のようにスマホをデタッチしましょう。同じ画面を2台で操作すると入力が衝突します。
セッションが見つからない時
no sessions / can't find session: claude
tmux ls
で存在するセッション一覧を確認。
-
セッションが無い → PC再起動等で消えた。新規作成して
claudeを起動:tmux new -s claude claude※ 元のスマホ作業状態は復元できません(tmux外で動いていなかった場合)。
-
別の名前で残っている → その名前でアタッチ:
tmux attach -t <名前>
逆方向(PC → スマホ)の引き継ぎも同じ
PCでの作業を外出先に持ち出す時も、手順は鏡写しです:
- PC側:
Ctrl+B→D(デタッチ) - スマホ側: Termux で
ssh yn4416@100.115.156.98 tmux attach -t claude
接続先が変わるだけで、セッションはずっとPC上で生きています。
tmux を使わずに claude を起動していた場合は?
ここまでの手順は すべて「tmux の中で claude を起動していた」ことが前提です。
tmux を挟まずに WSL ターミナルで直接 claude を動かしていた場合、引き継ぎの挙動が変わります。
tmux あり / なし の特徴比較
| 特徴 | tmux あり(本ガイド推奨) | tmux なし(直接起動) |
|---|---|---|
| プロセスの生死 | 接続を切っても 生き続ける | 接続を切ると SIGHUP で道連れ終了 |
| スマホへの持ち出し | tmux attach でそのまま再開 |
不可(プロセスが死ぬため) |
| 実行中タスクの扱い | そのまま継続 | 失われる(書き出し中等は消失) |
| 復元できるのは | プロセスの「実状態」まるごと | 「会話の文脈」のみ |
| 事前準備 | tmux new -s claude が必要 |
なし(そのまま claude) |
なぜ tmux なしだと死ぬのか
tmux を挟まないと、claude プロセスはターミナル接続に紐付いて動きます。
PCをスリープ/シャットダウンしたりターミナルを閉じると、親であるシェルが終了し、子の claude プロセスも SIGHUP シグナルで道連れになります。tmux はこの接続とプロセスを分離して保持する役割を担っています。
⚠️ つまり tmux なしでは、PCで動かしている claude にスマホから届く方法がありません。SSH で入っても別のシェルが起動するだけで、元プロセスには触れません。
救済策 — 会話はPCに残っている
プロセスは死にますが、Claude Code の会話履歴は PC 側(~/.claude/projects/)に自動保存されています。スマホから「会話の続き」として再開できます:
# スマホのTermuxで
ssh yn4416@100.115.156.98
claude -c # 直近の会話を続きから再開(--continue の短縮形)
# または
claude --resume # 過去セッション一覧から選んで再開
💡 復元できるのは「会話の文脈」までです。実行中だった長時間タスク(ファイル書き出しの最中等)は道連れで失われるため、重要な作業の前に tmux に入るのが安全です。
今後の予防策
claude を起動する時は必ず tmux の中で:
tmux new -s claude # ← これを先に(tmux セッション作成)
claude # ← その中で Claude Code を起動
この1行を挟むだけでプロセスが接続切断から守られ、スマホ⇄PC の引き継ぎが可能になります。
⚠️ 後から tmux に入れるのは難しい: 既に直接起動したプロセスを後から tmux に移行するツール(reptyr 等)もありますが、Claude Code のようなインタラクティブ TUI では画面が乱れやすく実用的ではありません。起動時に tmux を挟むのが確実です。
関連
- 02 毎回の手順 — tmux の基本操作一覧
- 03 PC側ヘルスチェック — アタッチできない時のPC側診断
- 04 トラブル対応 — よくあるエラーと対処法